多段ヘッダーで可能な代表的な形状|ねじの基礎知識講座|ねじJAPAN

Vol.17 多段ヘッダーで可能な代表的な形状

多段ヘッダーではダブルヘッダーで出来ない形状が可能になりました。前回ご紹介した 六角ボルト+ワッシャー+カラーの一体化は、一番良く使われる例です。多段ヘッダーで可能な代表的な形状を紹介します。

数段の軸をもった形状

数段の軸をもった形状、切削品とは異なり材料のファイバーフローが連続し、かつ表面は適度の加工硬化で、優れた機械的性質を備えています。安定した精度が保証できるので、回転するパーツの軸受の加工には最適です。

軸径の異なる中ツバ形状

軸径の異なる中ツバ形状、通常のダブルヘッダーであれば、両方の軸径は、ほぼ等しいことが加工可能の条件ですが、多段ヘッダーでは、両方の軸径が異なる部品の加工が可能です。

異形断面をもった形状

異形断面をもった形状、軸が、四角、楕円、半円、小判などの異形の切削部品は、フライス加工などで切削しますが、多段ヘッダーでは押し出し加工によって、異形の軸の冷間加工が可能となりコストダウンに大きく貢献します。

軸径に比べて極端に頭の大きい形状

軸径に比べて極端に頭の大きい形状、切削加工では、頭径と同じ丸棒材から加工しますが、軸径の2倍までの材料から頭部を加工出来ます。材料費の軽減に大きい効果があります、特に材料価格が高い真鍮、ステンレスの部品には最適です。

偏芯した軸の形状

偏芯した軸の形状、切削加工の場合、加工途中のチャックの持ち直しや、偏芯センター出しの必要がありますが、圧造加工にすることで、安定した偏芯が安価で加工出来ます。

貫通穴等の形状

貫通穴等の形状、段数を増やすことによって、左図のような頭部の形状と、段付き軸とを組み合わせた部品にも、貫通穴加工が可能になりました。

材料、加工率などの制約はありますが、上記6種類は代表的な形状です。ヘッダー後さらに追加工(切削、プレス、曲げなどの二次加工)を加える事により、精度を向上、異径形状が可能となり、大幅なコストダウンにつながります。